Works
制作物



Chiaki Takaki | ギャラリーサイト
デザイン , テキスト , 実装(Studio)
カンタ刺繍作家 髙木ちあきさんのギャラリーサイトの制作とコンセプトテキストを作成させていただきました。
カンタ刺繍とはインドに伝わる手縫いのキルトのこと。キルトはあらゆる国で制作され、表情や背景はさまざま。カンタは生活の中で余る布や古い布を重ね合わせ刺繍し、また生活に使われる、日常に根差したキルトです。特にカンタが他のキルトと異なるところは、自由さ。刺繍の方法や柄に決まりはなく、最早、自由に縫うことが決まりとも言えるほど、のびのびと糸の凹凸は広がり、それはとても美しく味わい深いのです。
その自由さに惹かれて8年前にカンタをはじめた髙木さん。時には無心に、時には何かを思いながら、縫うことは髙木さんにとって日常となりひたすらカンタと向き合う日々だったそうですが、次第に作ったものを届けたいという思いも大きくなった時、ギャラリーサイトの制作のご依頼をいただきました。
まずわたしたちは、サイト制作を行う前に、テキストを作成しました。高木さんにとって日常であるカンタ刺繍ですが、その日常と化した行為やそうなるまでの背景、そしてできあがる作品、全てがとても美しく、伝えたいと思いました。
できあがったテキストは、ウェブサイトを作るにあたり私たちの大きな指針となりました。あえてテキストの全文はサイトには載せず、抜粋して使用しました。全文はどこかで披露されることがあるかもしれませんが、それまでここでも掲載することは控えたいと思います。
代わりに、作成したテキストの解説のような文章の中から一部を抜粋してご紹介させてください。わたしが髙木さんの作品と、髙木さんご自身が魅力的だと感じる理由です。
”それまでは憧れと現実の間で葛藤する気持ちが絡み合った、固い結び目が心に存在していたとしたら、カンタ刺繍が、その結び目をほどいてくれたのではないかと思います。そしてほどいたその糸で、髙木さんはカンタ刺繍を続けているように、私には見えています。”
ウェブサイトで一番見ていただきたかったのは、作品はもちろん、制作する様子でした。刺繍という細やかで根気のいる作業。途方に暮れるような作業を黙々と静かに続け、心の拠り所とする髙木さんの姿を動画におさめました。